■なぜ総合型選抜では「受験先選び」が重要なのか?

　総合型選抜は一般入試とは異なり、大学ごとに評価基準が大きく異なります。まず、「求める人物像」が大学・学部ごとに異なり、さらには「活動実績」の評価ポイントや「志望理由書・小論文・面接」こられの比重が異なります。
　これらのことから、「どの大学を選ぶか」で準備や対策の仕方が大きく異なるほか、それまで積み重ねてきたものが有利にも不利にもなるわけです。つまり、自分の強みが最も評価される大学を選ぶことが、合格への近道になるのです。

■総合型選抜の受験先を選ぶ5つのポイント

① 求める人物像
　総合型選抜ではまずもって、大学のアドミッション・ポリシーから「どんな受験生を評価しているか」を確認する必要があります。似たようなことが書かれているかもしれませんが、いくつもの大学や学部のアドミッションポリシーを見ていると、やがて微妙な違いに気づけるようになります。そこで書かれていることとの一致が、後述する各項目にもつながっていくのです。

② 志望理由および活動実績との相性
　総合型選抜では受験先とのマッチングが重視され、それは志望理由との相性の良さだともいえます。また志望理由書で書かれていることの説得力を増すのが、活動実績になります。よって、志望理由やこれまで取り組んできた活動内容が、大学・学部の教育方針や学びと結びつくかが重要です。

③ 英検や評定などの出願資格
　総合型選抜では出願資格が設定されているケースが多く、その条件をクリアしなければ出願さえできません。英検などの外部資格や評定などが出願資格として設定されている場合があり、まずはそれらをクリアしているかの確認が必要になります。また、それらをクリアしているだけではなく、加点などの扱いにも注視することで、合格しやすいか否かを判断することも可能です。

④ 選考方法や評価配点・倍率
　受験を考えている大学が、書類重視なのか、面接・プレゼン重視なのか、それとも小論文が鍵になるのかを把握する必要があります。受験生によっては評定が高い、高い英語資格を持っている、小論文が得意、武器になるものがそれぞれ異なるはずです。そして近年の入試倍率も、受験先の選定の大きな判断材料になることは言うまでもありません。よって受験生は、自分が一番力を発揮できるものを把握することから始め、それは高く評価されるところを受験先として選ぶべきなのです。

⑤ 併願戦略
　近年は総合型選抜の受験者数も増加傾向にあり、第一志望だけでなく併願校を含めた全体戦略を立てることが必須となっています。よって候補となる大学や学部が併願可能か否か、そして試験日程を調べ、最終的にはどの大学を受験するのかを決めることが求められます。さらには入学金をいつ支払うのか、このことも調べ、どの大学を受験するのかの判断材料にすることも重要です。
　もちろん受験することを決めたならば、それぞれの大学の①～④に関して調べることは必須となります。

■塾だから可能な総合型選抜の受験先選定法

　前述の「総合型選抜の受験先を選ぶ５つのポイント」は、時間はかかりますが一般の方でも可能なものになります。しかしここからは、塾だからこそ可能な選定法を紹介します。一般の方は無理なんでしょ？決してそうではありません。以下のような選定基準があることを知るだけで、ある程度、選定の１つの材料になることは間違いありません。

①出願資格には書かれてはいない足切り
　出願資格には評定や欠席日数のことは一切触れられてはいないものの、現実的には評定が低かったり欠席日数が多かったりすると、書類の時点で不合格が突きつけられるケースもあります。これはとりわけ、難関大学であるのに出願資格が設定されていない大学で多く見られるケースであり、１つの基準として評定3.5未満、欠席日数が30日以上である場合は、総合型選抜での難関大学は難しくなるといえるでしょう。
　しかしながら、そのケースがすべての大学に当てはまるわけでもなく、当塾の生徒で評定3.2、欠席日数80日ほどで難関大学に合格したケースも存在します。このように、難関大学であってもそのうちの一部では、評定や欠席日数を気にしないところもあり、そういうところはもちろん受験先の候補の1つになります。

②出願基準と合格基準の相違
　総合型選抜を受験する場合、多くの受験生や保護者の方は、まず出願資格を気にされます。たしかにそれをクリアしているか否かは重要ですが、次に重要になってくるのは、合格した生徒がどんな生徒であるか、つまりは合格基準のラインを知ることです。
　もちろん合格基準のラインとは、出願資格は英検２級であるものの合格者の多くは準１級を取得している、という出願時点で有している力のケースもあり、この場合は出願するか否かの判断は容易です。しかしながら、「小論文の出来はこのくらい必要だ」といったような「試験で発揮できる力量」であるケースもあり、この場合は生徒の試験までの取り組みや伸びしろなど予測し、出願するか否かを判断するケースもあるのです。

③完成度重視か伸びしろ重視か
　総合型選抜では「志望理由書が重要だ」、そうした話をよく耳にすることでしょう。その言葉の意味は意外にも深く、志望理由書をはじめ事前に提出する課題レポートなどは、ただ高度なものを提出すればよいというものではありません。
　それが「完成度重視」か「伸びしろ重視」かという問題であり、たとえば大人が手を出せば完成度は自ずと高まるでしょう。しかし大学によっては、そうした完成度の高さはあまり求めておらず、着眼点のユニークさなどを評価するところもあるのです。

■二重まる学習塾の「大学選び」指導法

１．推薦入試一覧表
推薦入試は、試験日程、内容、倍率など、それを調べるだけでもかなりの手間がかかります。そこで当塾では、全国の大学の総合型選抜や学校推薦型選抜などの情報を一覧にした「推薦入試一覧表」を作成し、塾生や保護者の方はいつでも閲覧できるようにしております。
全国の大学の推薦入試一覧表(サンプル)

２．いつでも三者面談
受験先の選定は、受験生だけではなく保護者の方の意見も反映されなければなりません。よって当塾では、10:00～22:00までの間は先約がない限り、オンラインでの三者面談を承っております。生徒の希望、学習状況などを鑑み、受験先の選定に関するアドバイスを行っております。

３．合格者から直接話を聞ける
当塾では実際に、合格者から話を聞ける機会を多く設けています。どういった活動を積み重ねてきたのか、そしてどういった対策をどのくらい行ったのか、そうした実体験はオープンキャンパスなどで聞く話よりも価値あるものです。そして第一志望だけでなく併願校の話なども聞くことで、総合的にどういった受験戦略が描けるようになるのです。

■目的別｜どのガイドを見ればよいか

　総合型選抜対策は、活動実績や英語資格の取得、さらには小論文や面接対策など、いくつかのことをこなしていく必要があります。しかしながらすべてを同時に進める必要はありません。今の状況に応じて、以下のガイドから確認してください。

✔ 志望理由書完全ガイド

志望理由書の書き方が分からない、評価される文章にしたい方は以下から。構成・考え方・大学別のポイントまで解説しています
➡志望理由書完全ガイド

✔ 小論文完全ガイド

小論文が課される大学を受験予定の方に。小論文で重要な型から論証方法など、小論文の基礎が分かるものになっています。
➡小論文完全ガイド

✔ 面接・プレゼン完全ガイド

人物重視の総合型選抜では、当然のように重視される面接やプレゼンの本質と、頻出質問、評価ポイント、対策方法を整理しています。
➡面接・プレゼン完全ガイド